笑うとやはり健康になって、病気の治療にまでつながるようだ。逆に怒りは病気を招く。
米国テキサス大学医学部の研究グループが、怒りの害と笑いの効用の研究をまとめている。大学が2015年3月31日に報告している。
怒りの害と笑いの効用
怒りは人を殺す。特に心臓病の人が、急に怒り出すと、心臓発作や脳卒中を起こす可能性があると分かっている(怒りの爆発は心臓発作の引き金に、心筋梗塞は4倍に、くも膜下出血も6倍を参照)。
今回のテキサス大学の報告によれば、オーストラリアの研究では、激しい怒りを経験した人は、2時間後に心臓発作を起こすリスクが8.5倍になると判明している。欧州の研究では、怒りの後の脳卒中、心臓発作、不整脈が増えることを確認している。
ストレスホルモンのエピネフリンやコルチゾルが怒りの感情と共に大量に放出される。喫煙者や肥満傾向の人は特にリスクが高く、怒りは免疫系にも影響し、糖尿病のコントロールにまで影響を及ぼす。
反対に人は声を出して笑うことで、一酸化窒素を放出するという変化が起こる。血管を広げて、心臓や血管の病気のリスクを和らげる。笑うと「脳内麻薬」とも言われるエンドロフィンが放出され、気分が良くなり、痛みが和らぐ。エピネフィリンやコルチゾルの放出は減って、ストレス性の化学物質レベルが下がる。
怒りと笑いで逆の反応が起こるわけだ。
「笑いヨガ」も人気
笑いは不安を和らげ、人間関係を改善、末期や重症の病気への対応にも役立つという。小児科病棟のピエロ活動に代表されるように、笑いには多くの治療効果があると説明する。
TIME誌に最近掲載されたが、「笑いヨガ」も人気があるようだ。
ワールド・ラーフター・ツアーという、資格を持った笑いの治療グループもある。笑いを治療として推奨し、教える取り組みという。
できるだけ笑う機会を作るのが大切なのだろう。
文献情報
LOL-Laughing Out Loud
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